Chugai Pharmaceutical (中外製薬)

すべての革新は患者さんのために

製薬会社は、病に苦しむ人を一人でも多く救うために、日々、画期的な医薬品の開発に取り組んでいます。

しかし、ひとつの新薬を開発するのにかかる期間は10年以上とも言われる中、新薬開発の成功確率は年々低下し、開発コストは増加の一途を辿っています。

中外製薬では、AIを始めとした最先端のデジタル技術を活用することで、創薬プロセスを含む全てのバリューチェーンを変革し、社会を変えるヘルスケアソリューションを提供することにチャレンジしています。

新薬創出を革新するリアルワールドデータ/リアルワールドエビデンス

創薬に関わるデータは、レセプトや保険者、電子カルテなど医療現場で収集される医療ビッグデータ(リアルワールドデータ、RWD)、ゲノムデータ、デジタルバイオマーカーなど多岐にわたります。また、RWDから導き出されたエビデンスをリアルワールドエビデンスと言います。これらのデータをAIなど高度な分析手法で解析することで、新しいエビデンスの発見や、新規医薬品候補の創出や創薬の成功確率向上といった研究プロセスの劇的な変革が期待できます。

RWDの利活用において日本は諸外国に後れを取っていましたが、国の規制緩和やデータベンダーの台頭によって日本でもRWDを活用する機運が高まってきました。一方で、中外製薬は他の多くの企業と同様に、RWDの利活用の課題に直面していました。それは、全社での利活用により価値を生み出すべき巨大なデータを安定的・効果的に取り扱うパワフルで安全性の高い解析基盤が特定されていなかったことです。

中外製薬はRWDの活用基盤にTeradata Vantageを採用

中外製薬は、2016年から社内の各種データの統合や解析基盤構築を通じてグローバル水準のIT基盤の効率化に取り組みを開始しました。

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7869億円

売上高 (連結、2020年12月期)

15.2%

がん領域の医薬品国内シェアNo.1* (2020年)

22.5%

抗体医薬品でも国内No.1*のシェア(2020年)

* Copyright © 2021 IQVIA.出典:医薬品市場統計 2002-2020年12月MATをもとに作成 無断転載禁止
市場の範囲は中外製薬定義による

「2016年当時、国内の商用RWDの取得や、既に実施された臨床試験データの本格的な活用は始まっておりませんでした。しかしRWDを積極的に活用し臨床試験の対照群の代わりに用いて承認申請を行うことによる申請期間短縮、既得臨床試験データの利活用による製品価値強化や新たな価値の探索、また業務オペレーションの過程で取得できる各種データ活用による効率化を実現する必要があると考え、その手段の一つとして比較的大容量のデータを高速処理できるデータウェアハウスの採用を検討しました。」

と、臨床開発本部 バイオメトリクス部(生物統計担当)統括マネジャー 山本 英晴氏は振り返ります。これらの課題を解決し、データ活用を推進するために、中外製薬は Teradata Vantage を採用することを決定しました。

中外製薬では、すでに3年に渡りVantageにリアルワールドデータをはじめとした様々なデータを統合し、活用してきました。

「テラデータはなんといっても老舗ですし、多様な業界での実績もあり信頼感もありました。ただ採用にあたっては、一定程度の練度をもった社内の技術者の確保・育成が必要になるという課題があったのも事実です。一方で、この課題をクリアしてTeradata Vantageの活用を推進することよって社内のデータ活用のモメンタムが大きく向上するのではという期待感がありました。」と、臨床開発本部 バイオメトリクス部(データマネジメント担当) 統括マネジャー 高田 卓氏はTeradata Vantageを採用した理由を説明します。

「Teradata Vantageを用いたRWD解析を複数の試験で実施し、承認申請の経験もしました。また業務の過程で生成される業務活動解析の基盤としても機能しております。臨床試験データの多様化が進み、データウェアハウス以外のソリューションの活用も進んでおりますが、高性能な解析経験を提供するソリューションとして、今後クラウドへの移行も念頭に活用をしていきたいと考えております。」と山本 英晴氏はVantageを高く評価しています。

Vantage on AWS が提供する価値

中外製薬が活用するエンタープライズアナリティクス向けコネクテッド・マルチクラウド・データプラットフォームTeradata Vantageは、下記のような価値を提供します。

1. データのサイロ化を解消

Vantageは、データの保存と研究を分離し、研究プロジェクトごとに利用できるデータを割り当てる、データガバナンスを実現できます。セキュリティ、アクセス権限を適切に管理することが可能となり、データマートや、個別データウェアハウスを構築する必要性を排除しました。さらに、Native Object Store機能により、Amazon S3などクラウドオブジェクトストレージに構築したデータレイクに保存した非構造化データとVantage上の構造化データを透過的に取り扱い、分析することが可能になります。

2. AIの活用促進

Vantageは、AIツールがすべてのデータにアクセスできる環境を提供します。テラデータ独自の超並列処理技術による高速処理により、サンプルデータによる分析モデルの検証ではなく、全データを利用した精度の高い検証が可能になります。

3. 比類なきコストパフォーマンス

Vantageは、リニアな拡張性を提供するだけでなく、高度なワークロード管理により、確保されたリソースを最大限活用して、処理を実行することを可能とします。また、Vantageは、データに対して実行されるクエリ当たりのコストを他社に実現できない優れたパフォーマンスで実現します。

「CHUGAI DIGITAL VISION 2030」におけるデータの役割

中外製薬は2030年を見据えたデジタル戦略「CHUGAI DIGITAL VISION 2030」を掲げ、デジタル技術によって、ビジネスを革新し、社会を変えるヘルスケアソリューションを提供するトップイノベーターになることを目指しています。その基盤を支えるプラットフォームである「Chugai Scientific Infrastructure(CSI)」をAmazon Web Service(AWS)上に構築しています。また、CSIの一部としてマルチクラウド・データプラットフォーム Teradata Vantage on AWS を採用しています。

「CSIにおいて、データ基盤は重要です。大容量のデータを高速に、かつ、Data Integrity を維持したまま、クラウド環境とオンプレミス環境を自在に移動させるための役割を担うことになります。クラウドデータ基盤を選定するにあたり、この役割を担えるソリューションを選択するために、Teradata Vantage on AWS、他社製のクラウドデータベースサービスを比較検討いたしました。」とデジタル戦略推進部デジタル基盤G グループマネジャー 後藤 遵太氏は語ります。

「大容量のデータを高速に、かつ、Data Integrity を維持したまま、クラウド環境とオンプレミス環境を自在に移動させるという目的に合致していました。今後ユーザーにとって更に使い勝手の良いサービスへと強化されることを期待しています。」と後藤 遵太氏はTeradata Vantage on AWS、そしてテラデータを評価します。

さらに、「中外製薬は、RWDの利活用により新薬の臨床開発プロセスの効率化・高度化、医薬品の価値証明、疾患理解などを進め、患者さん一人ひとりに最適な治療法提供の実現を目指しています。Teradata Vantage on AWSが、その目標達成に大きく寄与することを期待しています。」とデジタル戦略推進部長 中西 義人氏は語ります。 

データは、その量ではなく、それをどう活用するかが重要なのです。

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